韓国ってどんな国?おさえておきたい日韓史や思想のキホン

国・地域

地理的に近い隣国ということもあり、国別の訪日外国人数で常に上位にランクインする韓国。日本と韓国は市民レベルでの文化的交流が拡大しており、両国間の友好的な関係を支えていますが、韓国のことをより深く理解するために、まずは国の概要や基本思想について学んでいきましょう。

お隣の国、韓国の概要

国旗
【太極旗】
旗の中央にある赤と青の模様が「太極」で、青が陰、赤が陽の意味。宇宙の万物が陰陽で構成され互いに発展し合うという象徴。周囲に配置された4つの線(卦)はそれぞれ天、地、火、水を表している。
正式国名 大韓民国
Republic of Korea
面積 約10万km2(日本の約4分の1)
人口 約5,147万人(2017年時点)
首都 ソウル
民族構成 韓民族からなる単一民族国家
言語 韓国語
宗教 信教の自由が保障されており、宗教人口比率53.1%のうち、キリスト教徒約55.1%、仏教徒約42.9%のほか、さまざまな宗教が信仰されている。
儒教の影響が大きい。
通貨 ウォン(₩)
主要産業 電気・電子機器、自動車、鉄鋼、石油化学、造船
GDP 1兆5,300億ドル<世界12位>(2017年時点)
貿易額 輸出:5,737億ドル
輸入:4,785億ドル(2017年)
主要貿易品目 輸出:集積回路等、乗用車、石油製品、客船・貨物船等、電話用機器・部品
輸入:原油、集積回路等、石油ガス等、電話用機器・部品、石油製品
主要貿易
相手国・地域
輸出:中国、米国、ベトナム、香港、日本
輸入:中国、日本、米国、ドイツ、サウジアラビア
在留邦人数 39,778名(2017年10月)
在日当該国人数 452,953名(2017年6月末)

韓国と日本の歴史

韓国と日本の間で文化的交流は活発に行われています。しかしその一方で、歴史認識の違いを背景とする複雑な感情の摩擦が起きていることも事実です。
朝鮮はかつて清(今の中国)の属国でしたが、日清戦争に勝利した日本が朝鮮の独立を清に認めさせ、大韓帝国が成立しました。しかし荒れ果てた大韓帝国は国家を運営できる状態になく、1910年、「韓国併合に関する条約」が交わされ、日韓併合が行われました。その後、日本からの多額の投資により朝鮮ではインフラや教育が整備され、近代化が進んだという面がある一方で、「強制的に併合された、侵略された」と考えたり教育されてきた韓国の人は日本に対してよく思っていません。

統一を目指す朝鮮半島

第二次世界大戦後、朝鮮半島は南北で分断されました。北はソ連の管轄下で共産主義化し、南は米国のもとで民主化の道を歩み始めました。現在、朝鮮戦争は休戦中ということになっており、終結には至っておらず、国境線のある北緯38度線は今でも緊張状態にあります。しかし2000年6月の「南北共同宣言」では、力を合わせて祖国の平和的統一を目指すことが確認されました。
統一の実現までにはまだ時間がかかることが予想されますが、2018年4月に約10年ぶりとなる南北首脳会談がされ、スポーツ大会でも南北合同チームが結成されるなど、政治的にも文化的にもその距離を縮めてきており、動向は世界的に注目されています。

儒教の影響が色濃く残る社会

信仰宗教とは別に、韓国では14世紀の李氏朝鮮の時代から「儒教」の考えが深く根付いています。
儒教はもともと中国で始まった思想ですが、韓国における儒教は、先祖を大切にしたり、親や年長者を敬うなど、序列をもっとも重視するという特徴があり、その影響は政治から普段の生活にまで広く及んでいます。例えば、目上の人の前ではタバコを吸わない、お酒は軽く顔をそむけて飲む、などのマナーの他、家庭内でも親に対して敬語を使う子供もいます。
また日本人の感覚では、他人に年齢を聞くのはある程度親しくなってからが通常ですが、韓国の人にとっては年齢による上下関係が重要であるため、初対面でも年齢を聞くケースも多いようです。そして、韓国で「友達」とは同級生(同年齢)の場合しか成立せず、どんなに仲が良くても年齢が違えば”先輩”や”後輩”という呼び方をします。

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